アドラー心理学の、課題の分離という言葉をご存知ですか?
簡単にいうと、自分と相手の課題を、分けて考えるということです。
でも、課題の分離って、定義は1つなのに、
人によって解釈がバラバラなんですよ。
思いやりと捉える人もいれば、
自分が被害を被らないためにと考える人もいる。
だから、この課題の分離には向き不向きがあるんです。
おそらく、説明しても分からない人には分からないし、
逆に説明しなくても、分かっている人は分かっているでしょう。
課題の分離を実践するのであれば、しっかり理解しておく必要がありますよ。
1・課題の分離の捉え方が人によって真逆
2・課題の分離とは思いやり
の順にお伝えしていきます。
利己的なエゴイストな人と、利他的で思いやりのある人の、
捉え方の違いから見ていきましょう。
1・課題の分離の捉え方が人によって真逆
アドラー心理学の有名な言葉に、
共同体感覚、勇気づけ、に並んで課題の分離という言葉があります。
この3つについて、アドラー心理学を詳しく知りたい方は、下の動画をどうぞ。
この課題の分離・・・
定義は1つなのに、エゴの強い利己的な人と、
意識高い系と言われる利他的な人とでは、
解釈の仕方が、全くの真逆だということにビックリしました。
だから先に言っておきます。
利己的なエゴイストの方には、課題の分離は向きません。
利己的な人が課題の分離を意識すると、
上手く行かず、表面的な人間関係も壊れるでしょう。
どういう事か説明する前に、簡単に課題の分離を説明しておきます。
課題の分離とは・・・
課題の分離とは、自分の課題と他人の課題を分けて考えるということです。
分かりづらいと思うので、課題ではなく問題としましょう。
自分の問題は自分の問題。
相手の問題は相手の問題。
と捉えてみましょう。
利己的な人が、課題の分離をしようとするとこうなります。
人間関係で言うと・・・
例えば辛い思いをしたとします。
誰かに批判されたり、高圧的な態度をとられたり・・・
だから、もう辛い思いをしたくない。
そのために信用しない。
自分を守る。
やられる前にやる。
だから高圧的な態度をとる。
分かりますか?
これってとても利己的ですよね。
というか、利己的な部分しかありません。
自分の問題と相手の問題を、分けて考えられてはいるんですが・・・
でもこれって、課題の分離は出来てないんですよ。
単なる他人に対する依存でしかないし、思いやりもないし、一方通行のエゴです。
課題の分離が出来ている人は、こう捉えます。
自分はとても辛い思いをした。
だけど、みんながそういう人ではないし、
高圧的な態度をとる心理の裏には、
弱い自分自身を、受け止めることが出来ない心理が隠されている。
だから、自分自身がそれに惑わされてはいけない。
自分に辛い思いをさせた人がどうであれ、その人にとっての実際の世の中がどうであれ、
意識の高い、在りたい自分を信じる。
自分にとって大切な人を信じる。
となるんですね。
これって、利己的でもあるけれど、利他的でもありますよね。
意識が高ければ、利己的な思いも利他的になるんです。
そして、本当の課題の分離とはこういうことです。
子育てで例えても、利己的な人と課題の分離が出来ている人では、解釈が真逆ですよ。
親ならば、人の痛みが分かる、ちゃんとした子に育ってほしいと思うでしょう。
当然、この想い自体は悪いことではないです。
でも利己的な親には、裏にこんな感情が隠されています。
もし悪い大人に育ったら、何かあった時自分が被害を被る。
だから、しっかりと躾ける。
実際、調べてみて、
こういう親も結構いるんだな~と知って、少し悲しくなりました。
教育におけるアドラー心理学の見解は、
課題の分離と勇気づけです。
勇気づけという、新しい言葉が出てきましたね。
つまり、こういうこと・・・
子供がおもちゃを散らかしたとしましょう。
それを親が片付けるんじゃなく、子供に片付けさせる。
「片付けないと、またおもちゃを無くしちゃうよ」と教えるんです。
こういう積み重ねが、
「誰かがやってくれるだろう」ではなく、
「気づいたら自分でやる」という風になるんですね。
アドラー心理学ではこんな表現がされています。
水辺に馬を連れていくことはできるけど、馬に水を飲ませることは出来ない。
水を飲むのかどうかは、馬の意志ということです。
勇気づけとは、考える力、行動する力、変える力。
まとめると、人生を切り開いていくいく勇気を与えることです。
課題の分離とは、相手に依存し過ぎないように、自分自身にとっても必要なことですし、
相手のためにもなることを言います。
決して、自分のためだけのエゴではないんですよ。
でも、課題の分離って、現実問題として難しい面が多いと思います。
一人ひとり価値観も違うし、精神レベルも違いますからね。
だったら、課題の分離じゃなくて、思いやりって考えてみたらいいと思いますよ。
2・課題の分離とは思いやり
課題の分離と勇気づけを行ったからといって、
相手が分かってくれるかも分かりません。
下手したら縁が切れてしまうかもしれませんね。
ですが、自分自身にとっても、相手にとっても、本当は必要なことなんですよ。
縁が切れるのが嫌なら、相手を見極めて、
徐々に課題の分離をしていくといいと思います。
僕は、勇気づけと思いやりって言葉が似てると思うんですね。
相手に対して、思いやりがないとレッテルを貼ったり、求める人に限って、
思いやりがない人が多いと思うんです。
非難の仕方を正当化しようとさせてるだけです。
そういう人って、自分に都合の悪い時に限って、
相手に対して思いやりがないと言うので。
思いやりとは、自分にとって都合のいいことだったり、
ましてや、相手に求めるものではありません。
課題の分離と勇気づけも同じです。
課題の分離の実践の仕方は思いやり~まとめ~
課題の分離とは、自分の課題か?相手の課題か?
で、分けて考えることでしたね。
課題の分離という言葉を使うと、少し分かりづらいです。
現代風にもっと親しみのある言葉を使うと、思いやりでいいと思います。
だから、利己的なエゴイストには向きません。
課題の分離も勇気づけも、思いやりも、
自分にとって都合のいいことだったり、相手に求める事ではないので。
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